周防大島八十八カ所霊場
西長寺第33世の純圓法印は、弘法大師の教えとありがたさを島人へ生涯をかけて布教されました。明治22年(1889)9月6日、霊場発起者、札所寺院、大師信者の協力と祈りは結実し、島にやすらぎの札所と遍路道が開設されたのです。
幕末に周防の国の大島を襲った悲劇。純圓法印の幼き時の体験が仏門への入口でした。霊場開創の原点は、幕長戦争での島内犠牲者の慰霊供養と、明治の「神仏分離令」により廃寺となった寺々の復興運動。八十八カ所は島を守る結界なのです。
西長寺のお札所
西長寺に四国第19番の地蔵菩薩を勧請。「根本霊場」と定め、古来より島内の寺や里に伝わる信仰が88結ばれ、島が一つとなるべく歴史的な大プロジェクトが始まるのです。各札所には縁あるご本尊が奉られ、御詠歌が奉納されました。
周防大島霊場の19番「根本大師堂」をはじめ、45番「明星院」、17番(現在は本堂に併設)が奉られ。近年「不動カンマンの滝」が山口不動霊場の16番に、「福寿観音」が中国楽寿観音霊場の14番の札所に指定され巡拝者を迎えています。
島へんろの今
約163㎞。徒歩で5・6日かけての遍路は、島人の「お接待」や「善根宿」(無料宿泊の提供)にて可能な旅でした。現在は車で3日、島観光としても魅力的ですが、各札所は今も尚、地元住民の憩いの場、祈りの大師堂であり続けています。
西長寺では周防大島八十八カ所巡りを主催しております。【大巡拝(おおまわり)】と称し、春3月に4日間の行程でご案内致します。個人での島へんろは素朴が故の不便を覚悟の上で計画を、納経帳(2000円)は印刷されたもので、納経印(各50円)は各札所にあります。朱肉は持参下さい。